鈴口智也のホームページ

プレプリント

  1. "Quasi-Periodic Eruptions as a Probe of Accretion Disk in Tidal Disruption Events"
    Suzuguchi, T. and Matsumoto, T., accepted for publication in MNRAS
    [arXiv] [NASA/ADS]
    QPEの起源である降着円盤は, 観測から潮汐破壊現象 (Tidal disruption event; TDE) によって形成されたものと考えられている.
    これはQPEがTDE発生の数年後に同じ銀河で発見されたという事実に基づいているが, TDE発生から一年以内にもQPEが観測され得るか, 観測されるとして既存のQPEとどう違うか, ということはわかっておらず, それについて調べた.
    結果として, TDE発生から一年以内では既存のものより高温のQPEが観測され得るということがわかった.
    松本達矢さん (現東大助教) が京大にいたときにQPEについて議論する機会があり, ちょっと手を動かすとすぐに面白い結果が得られたので論文にすることになった.
    その後, 色々あって結局時間がかかってしまったが, 無事仕上げることができた.
  2. "Possibility of Multi-Messenger Observations of Quasi-Periodic Eruptions with X-rays and Gravitational Waves"
    Suzuguchi, T., Omiya, H., and Takeda, H., accepted for publication in PASJ
    [arXiv] [NASA/ADS]
    Quasi-periodic eruption (QPE) という, 超巨大ブラックホール周辺の降着円盤と, 円盤に対して傾いた軌道をもった星の衝突が起源と考えられている突発天体現象について, そのマルチメッセンジャー (重力波と電磁波) 観測可能性を調べた論文.
    このような系は将来の宇宙重力波観測の主要ターゲットの一つとなっているため, 現在の観測事実をヒントに将来の電磁波観測を想定して同時観測可能性を予言した.
    結果として, 同時観測は重力波干渉計の標準的稼働時間では難しいということがわかった.
    共同研究者は同じ研究室のポスドク2人であり, ほとんど日常会話から始まった仕事.
    色々調べる中で路線変更を何回か行ったが, 共同研究者たちのおかげで無事論文として仕上げることができた.

主著論文

  1. "Gas Dynamical Friction on Accreting Objects"
    Suzuguchi, T., Sugimura, K., Hosokawa, T., and Matsumoto, T., ApJ, 966, 7
    [arXiv] [NASA/ADS]
    宇宙にはしばしばガス中を運動する天体が存在するが, 運動に伴って下流側に形成される高密度領域の重力に引かれ, 抵抗を受ける.
    このような抵抗力の速度依存性についてはよく調べられており公式も存在するが, ブラックホールのようなガスを降着させてながら運動する天体についてはあまり調べられていなかった.
    ガスが降着する際には運動量も同時に持ち込まれるため, 抵抗力の評価の際に考慮しなければならない.
    我々は降着天体が受ける抵抗力の速度依存性を流体シミュレーションによって詳細に調べ, 特に天体の速度がガスの音速と等しくなる領域で 抵抗力が既存の公式による予言よりも小さくなることを明らかにした.
    元々は修士論文で連星ブラックホールの軌道進化を調べていたが, その過程で真っ直ぐ進む降着天体がガスから受ける抵抗力というより簡単な問題を系統的に調べた研究がないことがわかったので やった仕事.